2025年9月02日

はじめに
当院のロゴは、一つの「蝋燭(ろうそく)」をモチーフにしています。
小さな灯りは、わずかであっても暗闇を照らし、温もりを与えてくれます。
その姿に、私たちがクリニックで大切にしたい想いを重ねました。
「自灯明」という言葉から
自分を拠り所にするという教え
ロゴのもとになっているのは、禅の教えにある「自灯明(じとうみょう)」という言葉です。
「自分自身を拠り所として生きていくことの大切さ」を示しています。
けれど、それは「ひとりで我慢して頑張りなさい」という意味ではありません。
疲れてしまったり、不安でいっぱいになって、自分の中の灯りが見えなくなることは誰にでもあります。
そんなときは、誰かの灯りに頼ってもいいのです。
ともに歩み、光を分け合う
蝋燭の灯りは、自分の火を消すことなく、ほかの蝋燭に灯りを分けることができます。
私たちも同じように、まずは「安心して灯りを分けられる場所」でありたいと考えています。
そして、通ううちに少しずつ、ご自身の心の中にある灯りを取り戻していただけるように。
その道のりを、一緒に歩みながら照らしていきたいと思っています。
思い出していただける存在として
誰にでも、日々の小さな出来事が重なったり、たった一つの大きな出来事によって、心が沈んでしまうことがあります。
そんなときに、ふと当院のロゴを思い出して、「ここに来れば少し楽になれたな」と感じてもらえたら幸いです。そう思っていただける存在であり続けたいと願っています。
待合室にあるスヌーピーの本から
禅語というと難しいイメージを持たれるかもしれませんが、ロゴの由来となった「自灯明」という言葉は、実はスヌーピーの本を通じて出会いました。
『心をととのえるスヌーピー』、『自分を受け入れるスヌーピー』、『生きるのが楽になるスヌーピー』は、いずれもスヌーピーの漫画の1コマに、禅の言葉やメッセージを添えて紹介している本です。
たとえば、スヌーピーが昼寝を楽しむ場面には「喫茶喫飯」という禅語が登場します。「目の前のことに心を込める」という意味で、ゆったりした時間を大切にする姿に重なります。
また、頑張りすぎてしまうマーシーにスヌーピーが声をかける場面には「無限清風(むげんせいふう)」が重ねられています。「ときどきリラックスすれば、頭はもげないわ」というセリフとともに、「やりすぎず、心を解き放つことの大切さ」をやさしく伝えてくれます。
どの本もわかりやすい解説がついているので、禅語に初めて触れる方でもすっと理解できるのが魅力です。
かわいらしいイラストと短い言葉の組み合わせが、読む人の心に自然に届き、「あ、こう考えていいんだ」と安心させてくれます。
当院の待合室にも置いてありますので、どうぞお気軽に手に取ってみてください。
おわりに
ロゴに込めた想いは、私たちの診療そのものです。
「患者さんと共に歩み、やがてはご自身の灯りを信じられるように」
その道のりを支え、寄り添うことが芦屋こころクリニックの使命です。
どうぞ、この小さな蝋燭の灯りを心に留めていただければ幸いです。